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その時書きたいことを書く

ファインマン物理学 Ⅰ 力学 #1

今更ファインマンを読もうと思うので勉強メモを付けていきます。

 

第 1 章 躍るアトム

- はじめに

- 物質は原子からできている

- 原子的現象

- 化学反応

 

一章はこんな感じの節からなっている。

なお、学生時代は教科書の「まえがき」を読むのが趣味だったのだが、これをやると勉強を始める前に力尽きるという問題があるので今回は飛ばして本文から読み始める。

 

- はじめに

科学におけるコンテンツ間の関係について考えてみようという導入。

-> 初めの 3 章では物理とその他の科学の間/諸科学間/科学の意義、などについて述べるとのこと。これはたるい。途中で飛ばして 4 章以降にジャンプするかもしれない。

 などと考えていたら、物理においては最初に公理を与えてそれを演繹して進めていくことは不可能とのありがたいお言葉。すなわち、人類はまだそのような公理を知り尽くしていないから。たしかに。あと、それ抜きにしてもどんどん進めちゃうとすぐ数学で詰まっちゃうでしょ、とのこと。確かに~!!

おとなしく読み進める。

 

「近似値・理論・実験」

我々の知っていることはおよそ何らかの近似値

知識はすべて実験によって検討される

物理では、理論屋と実験屋が分業体制をとっている

(※ 別に学会が完全に独立してるとかいうことではないです)

 

相対論の効果による質量の変化を引き合いに出し、それまで正しいと思われていた法則が見直される例を示す。

そんなわけで我々が正しいと思っている理論は全く全然間違っている可能性もある(例えよい近似であったとしても、理論のモデルとしてはすっかり見直さなければならない)という事はあるのだが、そのうえで、一足飛びに現代物理の話をするのもややこしいので、ここはやはり素朴な力学から始めて行こう的なことが書かれている。

で、上記の物理やその他の科学の関係に着目して、まずは我々の世界観について概観してみよう、とのこと。

 

- 物質は原子からできている

もし文明がリセットされることになって、次の世代にわずかな事実しか伝えてあげられないとしたら何を伝えるか?という面白いたとえ。

ファインマン曰く、原子仮説を伝えたい。

なめらかな水も、その実態はオングストローム (10^-10 [m]) スケールの原子/分子の集団である。この分子はよくあるポンチ絵のようにはっきり丸いわけでも 2 次元的に分布しているわけでもなく、3 次元的に動き、また引き合い、近づきすぎると斥けあっている。-> 分子間引力によって、液体の水は即座に雲散霧消することはない

しかし、よく知られているように、水を加熱することで分子は飛び散っていく、すなわち離れ離れになってしまう。

 

ここから、水蒸気をはじめとする気体について考察する。

100 個くらいのボールが飛び交っている部屋を想像する。このボールが部屋のある一面を構成する壁をかわるがわる押す(ぶつかることによって) ので、我々は外からその壁を押し返さなければ壁の位置を保てない。

この時ボール一つ一つの力を感じることはなく、平均して一つの押す力を感じるだろう。これを圧力とよぶ (ただし、実際に力の次元を持つ値は圧力×面積である。)

 

ここで、ボールが壁に当たった丁度その時に壁を部屋の内側方向に押し込むことを考える。この時、ボールはラケットで打ち返された時のように加速して跳ね返されることになる。

このことは、系全体で考えると圧力を加えることによって気体の温度が上昇する (また、逆に膨張させると温度が低下する) ことを意味する。

すっかり熱力学の話題だが、考えてみれば熱力学は確かに熱力学だ。

 

続いて、液体の水の温度を下げる/運動を衰えさせると、分子間引力が支配的となって水が固体となる点について述べられる。個体では、分子が結晶構造をなす。そのため形を保つことができる。また、雪の結晶が持つような対称性は、分子同士の配列のスケールですでに成り立っている。

ところで、氷の温度は (凝固点は常圧で 0 ℃ としても) 摂氏以下まで考えることができる。この温度とはなんだろう?->結晶構造をなしていても、各原子はそれぞれの位置で振動している。これが氷の温度の実態とのこと。

温度をさらに下げ、絶対零度にしてもこの振動はゼロではない最小値をとる。

また、ヘリウムは常圧下では絶対零度まで冷やしても固体にならない。

 

- 原子的現象

空気にさらされた水の表面では、水、酸素、窒素の分子が水と空気の間を出入りしている。ここでも考察を働かせると、水 (液体) から飛び出していく分子は周囲の分子が持つ平均的なエネルギーよりも大きなエネルギーを持っているという事になる。

すなわち、蒸発によって液体は冷えると考えられる。

一方で、空気中から水 (液体) に入った分子は液体表面で急に大きな引力を受けることになる->加速する->エネルギーが増加する。

このため、分子が水に入ってくる際には液体温度は上昇すると考えられる (分子が同数で入りすれば差し引きの温度変化はなしとなる)。

そこで、分子が出る一方の状況を作り出す、すなわち、スープを冷ますにはそれを吹け!ということである。

うーん。いかにもファインマン節という感じがする。

この文体が後の参考書に与えた影響は大きそうだ。

これに続いてもう一点、食塩を例に溶解や析出の減少についても原子仮説の観点から考察が加えられる。

 

- 化学反応

原子分子のスケールで起きる現象のうち、相手の原子の組み合わせが変わるものを化学反応、相手が変わらないものを物理的現象と (大雑把に) 区別している。

炭素の酸化->燃焼/爆発とエネルギーの放出、さらに一酸化炭素から二酸化炭素への化学反応。

 

 、、、丁寧に読んで書いてしていくといつまでたっても終わらないな。

次からは気になった部分だけ覚え書きするよう心がけよう。